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姿勢矯正エクササイズ

姿勢矯正エクササイズの手順

 この章では、エクササイズで行う姿勢矯正の具体的な手順を解説していきます。この方法には以下の特徴があります。

  • 良い点
  • 体一つで出来る為にコストがかからない
  • からだを柔らかくするだけでなく、姿勢を正す動作法も学習できる。
  • 悪い点
  • 矯正の効果が出始めるまで1〜2ヶ月くらいかかる。
  • 正確に行わないと、矯正の効果は半減する。

 エクササイズによる矯正の一番良い所は、姿勢を正す動作を学習できる事です。しかしその一方、弱点もあります。正確に行なわないと効果は半減するという弱点です。もちろん単純なストレッチなどはそうではありませんが、 姿勢を正す動作の学習を含むような複雑なエクササイズを、図や文章を見ただけで覚えるのは、本を読んだだけでスポーツを覚えるのと同様、かなり難しい事です。 特に普段あまり体を動かす事しない人でしたら、かなり意識を集中して行なう必要があるでしょう。

 このサイトでは、みなさんが正確にエクササイズを行えるよう、写真や図を多く用いるだけでなく、 理解を助ける事柄や注意点も、可能なかぎり紹介していきます。 ですから、みなさんも頭からじっくり読むよう頑張ってみて下さい。

目的を絞る事で、数分でエクササイズを済ませよう

 エクササイズイメージ2
 日々行うエクササイズは、できるだけ負担を少なくして、一日数分で済むようにするのがよいでしょう。「数分ではものたりない。もっとたくさん出来るよ」とやる気に満ちあふれている方は思うかもしれません。 しかし、やる気はいつまでも継続するものではありません。 エクササイズで矯正を行なう場合、少なくとも数ヶ月は続けないと効果は現れませんから、最初から頑張りすぎてしまうと、やる気が萎えた時点で諦めて終わりになってしまいます。 そうならない為には、やる気が無くなっても継続できるよう、日々の負担を少なくするのがオススメです。たとえ数分のエクササイズでも、日常習慣として生活に組み込む事ができれば、矯正は十分可能です。

 しかしそうは言っても、一日たった数分で効果を得るにはそれなりの工夫も必要です。 工夫の一つは、目的を絞って行う事です。まずエクササイズには以下の3つの目的があります。

体を柔らかくする目的
 悪い姿勢になると、その形にからだは固まってしまいます。その為、硬くなった体を柔らかくする必要があります。 例えば、丸くなった背中を伸ばすストレッチなどです。

姿勢を正す動作を覚える目的
 悪い姿勢でいた期間が長くなると、からだはその悪い姿勢を通常の姿勢と認識しまいますから、再度、正しい姿勢の感覚を学習する必要があります。 例えば、背筋を伸ばす動きを練習するエクササイズなどです。

体を鍛える目的
 悪い姿勢になると、からだの一部の筋力が弱くなる事があります。 正しい姿勢を維持する為には、この弱くなった筋力を強化する必要があります。例えば、腹筋のエクササイズなどです。


 以上3つの目的の中から、最初は2つに絞って行います。 それは「からだを柔らかくする目的」と「姿勢を正す動作を覚える目的」の2つです。 何故一つではなく二つなのかというと、一つで二つの目的を達成できるエクササイズをここでは紹介するからです。 ですから、最初に行うエクササイズは一つだけ。それに1〜2コのストレッチを加えたとしても、数分で十分収まります。

 そして、ある程度達成したら、最後に残った「からだを鍛える目的」に切り替えてエクササイズを行います。 このようにする事で、一日数分でも十分矯正を行う事が出来るはずです。

柔らかい姿勢になって健康になろう。

 さて、この前を読んで、何故、最初に体を鍛えるのではダメなのか、と疑問を持たれた方もいるかもしれません。 特にスポーツなど体を動かす事が好きな方は、筋力アップでからだをつくる事に慣れていますので、そう思われる方も少なくないでしょう。

 しかし、姿勢矯正は、からだを柔らかくする事を優先して行う必要があります。 何故なら、先にからだを鍛えてしまうと、"硬い姿勢"なってしまう事が多いからです。

 "硬い姿勢"とは、力によって維持されている姿勢の事です。 例えるなら、硬い弾力のないゴムをむりやり曲げ続けているような姿勢です。 力で維持していまから、力を抜けば元の悪い姿勢に戻ってしまいます。筋力に自信のある方はそれでもいいと思われるかもしれませんが、 高齢になれば、そのような方でも筋力は自然に衰えてきます。そうなれば結局は悪い姿勢に逆戻りです。 又、つねに緊張した状態はからだにとってストレスですから、当然、健康にもよくありません。「見た目は正しい姿勢なのに、体のあちこちが痛い。」という方がたまにいらっしゃいますが、 そのような人のほとんどはこの"硬い姿勢"になってしまっているのです。

 このような"硬い姿勢"にならない為にも、姿勢矯正は"柔らかい姿勢"を目指して行います。 柔らかい姿勢とは、例えなら弾力のある柔らかいゴムを指先で軽く曲げているような姿勢です。その為、姿勢を維持する為に筋力はほとんど必要としません。 当然、高齢になっても姿勢を維持出来ますし、からだにストレスもない為、健康にも良いでしょう。 まさに一石二鳥と言えるのです。

 私が患者さんから言われてうれしい言葉の一つに、「良い姿勢になったおかげで、からだから力みがとれました。」というのがあります。 正しい姿勢は、快適であるべきだ、と私は考えています。 ですから、みなさんにも矯正をして後に「楽になった」と感じて欲しいと思います。 その為にも、矯正はからだを柔らかくする事を優先して、"柔らかい姿勢"を目指して行いましょう。

エクササイズで何を柔らかくするのか

 次は、悪い姿勢により硬くなる部分はどこか、という話しです。 もちろん、それは姿勢の悪く見えている部位ですね。例えば猫背なら、丸くなっている背中です。しかし、一言に背中といっても、それは皮膚、骨、筋肉などの複数の組織からなる集合体です。背中を構成する全ての組織が硬くなっているわけではありません。

 エクササイズをする時、具体的に体の中のどの組織が硬いのか意識して行う事はとても重要てす。 何故なら、そうする事で矯正の効果は飛躍的に高まるからです。

 話しをわかりやすくする為に、人間をゴムで結ばれた棒人形に例えて解説していきます。結ばれたゴムによって人形は姿勢を維持していると考えて下さい。
棒人形

  まず、人形を手で曲げて、背中の丸い姿勢にした、と仮定しましょう。 さ姿勢が変化した事で、背中側のゴムは伸ばされ、お腹側のゴムは緩んだ状態になります。注意してほしいのは、形が変わったのは、体を構成する棒ではなく、体をつなぐゴムの方だ、という点です。 ですから力をかけるのをやめれば、ゴムの弾力により、人形は元の姿勢に戻るはずです。
棒人形を猫背に

 しかし、丸い背中の状態のまま人形を数年間放置したとしたらどうでしょう。時間が経過するにつれゴムの弾力は失われて、いずれ硬く伸びなくなるはずです。 そうなれば、人形は元の形に戻らないでょう。
某人形の姿勢は固定

 これを人間に戻して考えれば、棒に相当するのは人の骨、ゴムに相当するのは筋肉などの骨をつなぐ組織となります。 つまり、悪い姿勢になって硬くなるのは、骨ではなく、筋肉などの骨をつなぐ組織、筋肉・腱・靭帯なのです。ただし筋肉は、日常から収縮弛緩を繰り返している為、姿勢を強力に固定するほどには硬くなりません。 一方、腱と靭帯は、そもそもが骨格を保持する事を目的とした組織ですから、固定する力は強力です。 つまり、主に硬くなるのは、骨と骨とをつなぐ"腱と靭帯"だという事になります。

 しかし、腱・靭帯は柔らかくする事の難しい組織です。その為、少し複雑な動作のエクササイズを覚える必要があります。 正確に行えるようになるまでに繰り返し練習する必要はありますが、うまく出来るようになれば、効率よく矯正を行なう事が出来ます。

 さて、ここまでをまとめます。

  • 悪い姿勢を固定しているのは、筋肉・腱・靭帯。
  • 特に腱・靭帯が硬くなる。
  • 腱・靭帯のエクササイズは少し難しい。しかしうまく出来れば、矯正の効果は高い。

 以上の理由から、これから紹介するのは腱・靭帯を柔らかくするエクササイズが中心です。 そして、「これだけやれば、とりあえず矯正できるよ」という意味を含めて、 腱・靭帯を柔らかくするエクササイズを 「姿勢矯正エクササイズ」と呼ぶ事にします。

 姿勢矯正エクササイズは、姿勢矯正の為だけに考案された特別なエクササイズです。 しかも、姿勢の動作学習も組み込まれていますので、より効率的に矯正出来ます。 それ以外のエクササイズについては、補助エクササイズとして別章にて紹介する事にします。

誰でも同じエクササイズでよいのか問題

 さて、最後に触れておかなくてはいけない問題があります。 悪い姿勢のかたちは人それぞれ違うのに、一律に同じエクササイズで効果はあるのか、という問題です。

 悪い姿勢には大別して猫背・腰つき出し姿勢・胸つき出し姿勢の三種類あり、さらに個々人でも微妙に形は異なります。 という事は、個人の姿勢に合わせてエクササイズも個別に選択すべきなのでしょうか。

 厳密に言えば、確かにそうなります。しかし、初期に行うエクササイズは共通でもかまいません。 何故なら全ての悪い姿勢には、共通した変形があるからです。その変形とは、首から胸にかけての"く"の字変形です。下図を見てください。

三つの悪い姿勢共通の変形は首から肩のくの字

悪い姿勢に共通の"く"の字変形

 上図は、全ての悪い姿勢における背中の"く"の字変形を赤線で示したものです。これらの中で、胸つき出し姿勢だけは"く"の字に見えませんが、図を少し右に回して見れば、"く"の字になる事がわかります。 この事から、どのような悪い姿勢でも、背中の"く"の字変形を改善するエクササイズを行えば、一定の矯正効果を得られる事がわかります。

 もちろん、これだけでは完全な矯正を達成するのは難しいでしょう。仮にうまくいっても半分程度かもしれません。 「なんだ、半分程度しか矯正できないのか」と残念に思われる方もいるかもしれませんが、 各個人に合ったエクササイズをここで全て紹介するのは事実上不可能です。 それに、半分程度の矯正でも見た目にはかなり良くなりますし、悪い姿勢に伴う症状も半減するはずです。

 以上のような理由で、これから紹介するのは背中のくの字変形を矯正するエクササイズのみです。 ものたりなく感じるかもしれませんが、これだけでも正確に行うのはなかなかの難易度です。気を引き締めて頑張りましょう。

姿勢矯正エクササイズを行う5つのコツ

 さて、いよいよ姿勢矯正エクササイズを紹介していきましょう。 実践の前に、まずはエクササイズのコツを5つ紹介します。よく読んでから実践に進みましょう。

1. 無理しない。
 姿勢矯正エクササイズは腱・靭帯を柔らかする事を目的としたエクササイズです。 しかし、一般的なストレッチと比べると、"伸ばされている"という感覚は希薄に感じるはずです。 何故かというと、腱・靭帯は筋肉と比べて伸びの感覚が鈍いからです。その為、強く伸ばしすぎてもそれに気付かず、体を痛めてしまう事がよくあります。最初はあまり自分の感覚を信じないで、軽めの力で行うようにしましょう。伸びている感覚がなくても大丈夫。動作さえ正確ならば必ず効果は出てきます。

2.ゆっくり正確に動こう。
 いくらエクササイズを頑張っても、動作が正確でなければ、あまり効果はありません。 エクササイズで一番重要な事は、正確出来ているかどうかです。 そして、正確に行なう最大のコツは、ゆっくり動く事です。そうすれば、からだの動きに意識が自然に行き届くようになります。 特に最初のうちは、自分がゆっくりだと思う速度の、さらに半分くらいの速度で行うのが良いでしょう。

3.目的の部位をイメージしながら行う。
 柔らかくする部位を具体的にイメージしながら行う事も大事なポイントです。 これは姿勢矯正に限った話ではないのですが、漫然と行なうのと、目的をイメージをしながら行なうのとでは、最終的に大きく効果が異なってきます。 例えば、単なるストレッチでも、明確に伸ばす部位をイメージしながら行なうと、 自然にその目的に合った最適なポジションがとれるようになります。 そもそも姿勢矯正エクササイズには、伸びを知覚しずらいという特徴もありますから、目的部位のイメージはより重要です。

4.うまくいかなくても、あせらない
 ここまで解説した注意点をいくら意識しても、最初はうまく出来ないかもしれません。 その原因の多くは、まだ体が硬すぎる為、その動作がそもそも不可能である事にあります。 ですから、姿勢の悪い人ほど、このような状態になりやすい傾向があり、これでいいのかと不安に感じる事でしょう。

  しかし、姿勢矯正はスポーツを覚えるのと同様で、よほど上手な人以外は、覚え始めは誰でも不格好なものです。 最初はうまくいかなくても、続けるうちに、からだは少しずつ柔らかくなり、上手になってきます。あせらず取り組みましょう。

5.長期間、毎日少しずつやろう。
 一度に行うエクササイズをいくら増やしても、姿勢は短期間で変化しません。 基本的に3ヶ月以上は続ける必要があると最初から考えておいて下さい。 とはいえ、エクササイズにかかる時間は毎日たった数分です。歯磨のような日々の習慣として行いましょう。


以上、5つのコツを紹介しました。良く読んで、心に留めておきましょう。

ここまでのまとめ

 ここまで実践前の準備知識を解説しました。以下にまとめます。

  • 日々のエクササイズは一回数分で終わらせるようにする。その為にエクササイズの目的を絞って行う。
  • 最初はからだをやわらかくする目的に集中する事。最初から筋力アップをしてしまうと、硬い姿勢になってしまう。
  • エクササイズで柔らかくするのは、腱・靭帯・筋肉。特に腱・靭帯を柔らかくする事が重要。その為、最初に紹介するのは、腱・靭帯を伸ばすエクササイズ(それを姿勢矯正エクササイズとここでは命名します)。
  • どのような悪い姿勢でも、背中のくの字変形を改善する為のエクササイズを行えば、一定の矯正効果を得られる。
  • 姿勢矯正エクササイズのコツは、動きをイメージしながら・無理せず・あせせず・ゆっくり・少しずつ。

次はいよいよ実践です。

姿勢矯正エクササイズ・ステップ1

 いよいよ姿勢矯正のエクササイズの手順を解説していきます。まずは以下の注意事項を確認してください。

必ずお読みください

循環器系疾患を患っている方、
高血圧の方、頚部ヘルニア等の首に問題がある方は
行わないでください。
症状を増悪させる恐れがあります。

紹介したエクササイズによる、いかなる事故・事象も、
当方では責任は負いかねます。

以上同意の上、自己責任で行ってください。

大事なポイント!
" あせらない" "ゆっくり" "正確に"
"違和感や痛みがあった場合は中止する"

 姿勢矯正エクササイズは、二つのステップにわかれています。 ステップ1は主に基礎動作の練習です。完全にうまく出来るようになったら、本番のステップ2に移行します。

 それぞれのステップは、3つのレベルに別れています。 レベル1が出来るようになったら次のレベル2へ、レベル2が出来るようになったらレベル3へと進んでください。 完全にうまく出来るようになるまでは、次のレベルに移行してはいけません。

ステッブ1・レベル1
 これから紹介するエクササイズは、全て椅子に座って行います。下の図1・左がその座り方です。胴体を地面に対して垂直にするのがポイント。お腹は軽く緊張させ肩の力はぬきます。 姿勢の悪い人は、自然に頭が前に出て肩は丸まりますが、それが正しい状態です。目線は正面に据えます。肩は丸まってもよいですが、腰は丸まらないよう注意して下さい(図1-中央)。胸を張るのもいけません(図1-右)。 又、エクササイズ中は基本的に目をつむらないようにしましょう。

エクササイズ1図1

図 1 エクササイズの準備 正しく座る

 エクササイズは全て同様の座り姿勢から始まりますから、ここは重要なポイントです。しっかり覚えてしまいましょう。

 次に実際に動作していきます。動かすのは主に頭で、斜め上に引き上げるように動かします。 まずは下の図2をみて、動きのイメージを掴みましょう。
エクササイズ頭の動き解説

 図2を見ると、頭と首は凸と凹のソケット状の構造でつながっていて、頭はボール状になっています。ボール(頭)をソケット(首)の上で後方へねじるような動きをイメージして下さい。 よくわからない方は、動作を二つに分けて考えるとよいでしょう。一つは後頭部を上に持ち上げる動き、もう一つはアゴを後ろに押し込む動きです。 この二つの動きを同時に行えれば、自然に動作できます。 この動きはステップ1全てに共通ですから、図を見てしっかりイメージを掴んでおきましょう。

 動きのイメージを掴めたら、いよいよ実践です。下の図3を見て下さい。どちらか一方の片手を後頭部に、もう一方の手をアゴにそえます。 ここから手を介して頭を動かします。 後頭部側の手は真上引き上げて、アゴ側の手は押し込むように、ゆっくり力をいれます(図4)。 そうする事で図4の右のような姿勢になるはずです。この時、肩と背中に力がはいらないよう注意しましょう。

エクササイズ1レベル1解説

 うまくいけば、アゴは床に対して平行、目線は正面になっているはずです。合わせて、後頭部に伸びの感覚を感じとれると思います。アゴ下は蛇腹状(二重あご)になっているかもしれません。 首の背骨が硬いとこのような状態になりますが、苦しくなければ問題ありません。 もし苦しいならば、力を弱めて行ってください。

 うまく動作できたならば、その状態のままで7秒間ほど保持します。そして、最初から同様に5回繰り返します。これで一日分終了です。 問題なく出来るようでしたら、レヘル1はやめてレベル2に進みましょう。少し難しく感じたり、うまく出来なかった場合は、翌日も再度レベル1で練習します。

ステッブ1・レベル 2
 レベル1がうまくできるようになったら今度はレベル2です。座って最初の姿勢(図1-左)をとります。今度は後頭部には触れずに、両手をアゴに添えます。(下図4)。

 動作はレベル1と同様です。アゴのみ手の補助を使いて押し込み、後頭部は自力で上に引き上げます。(下図5)。

 うまく動作できたなら、7秒間ほどその状態を保持します。これを最初から5回繰り返します。

エクササイズ2レベル2

 完璧に出来るようになったら、次はレベル3に移行して下さい。難しく感じたり上手に出来なければ、次の日も同様の練習を行って下さい。

ステッブ1・レベル 3
 次は仕上げのレベル3です。レベル3では手の補助を一切つかいません(図6)。両手は膝においたままで完全に自力で動作します。 後頭部を上に引き上げる力をいれながら、アゴを押し込む力をかけ、頭を斜め上に持ち上げます(図7)。

エクササイズ1レベル3

 うまく出来たら、7秒間ほど姿勢を保持します。これを最初から5回繰り返します。

 レベル3がうまく出来るようになったら、ステップ1は終了です。次はステップ2に移行します。要領の良い方は、1日でステップ1をマスターしてしまうかもしれませんが、出来れば2〜3日はステップ1を練習して、完全に体に身に付けてから、ステップ2に移行するのがオススメです。

姿勢矯正エクササイズ・ステップ2

 次は、ステップ2を紹介していきます。 ステップ2は、腱・靭帯を柔らかくする本番のエクササイズです。姿勢を正す動作の練習も含みますから、ステップ1と同様に動きを意識しながらゆっくり行いましょう。

 ステップ2もステップ1と同様に3つのレベルに別れています。 レベル1が出来るようになったら、次のレベル2、レベル2が出来るようになったらレベル3と、段階を踏んで進んでください。

ステッブ2・レベル 1
1. ステップ1と同様の座り姿勢から始まります。 その形と注意点はステップ1を参考にして下さい。

2. 次に、胸郭(きょうかく)をかこむように、肘をやさしく組みます。胸郭とは、肋骨でかこまれた部分の事です。 下の図1を見てイメージを掴みましょう。

図1 左図がステップ2の最初の姿勢。肘で胸郭を包み込む

 胸郭の上端は首のつけね、下端はおへその少し上です。下端はイメージしずらいので、手で触って確認しましょう。 まず、脇の下あたりを触ります。すると、硬い骨にあたるはずです。これは胸郭を囲む肋骨です。そのまま手を下にずらしていって、骨がどこまであるか探ってみましょう。 硬い骨が終わった位置が胸郭の下端になります。その位置から手をお腹側に水平に移動してみましょう。丁度、おへその少し上ぐらいにくるはずです。 胸郭の形をしっかり認識できたら、改めて胸郭の包むように肘を抱きます。これで、エクササイズの最初の姿勢が出来ました(図1左)。

3.さて、いよいよ身体を動かしていきます。動かすのは胸郭を囲む肋骨と背骨です。 胸郭全体を上方やや後方に反らすことで、胸を開いて背骨を直立させるように動かします。 この動きはラジオ体操の"上体反らし"に良く似ていますが、それより力の方向は上方へ向いています。下の図2・3を見て動きのイメージを掴みましょう。肋間のスキマが開いて、丸まった背骨は直立している事が図3からわかります。

図2 上体反らしをイメージして胸を上に伸ばす。

図3 動きを骨で見た図。胸の肋骨が上下に開いて、首の背骨が直立する

 

 イメージを掴めたら、実践してみましょう。うまく動けた場合、胸側には伸びる感覚があり、背中は圧迫されたような感覚を感じるかもしれません。ただし背中の感覚については個人差の大きい為、力のかかっている事を知覚できればそれで良しとします。

 上手に出来たなら、15秒程度その姿勢を維持して下さい。これを一日6回程度繰り返行います。ここまでがレベル1です。

 次によくある間違いの例を紹介します。一つ目は、頭だけが動いてアゴが上がってしまうケースです。下の図4をご覧下さい。

図4 胸郭はそのままでアゴだけ上がってしまう

 

 図4を見ると、胸郭はそのままでアゴだけ上がっている事がわかります。 正確に出来た時もアゴは上がるのですが、それは胸郭が伸びた事で頭の位置が変化したからで、頭そのものが動いたわけではありません。図4を図2・3と見比べて確認してください。

 もう一つのよくある間違いは、胸が持ち上がってしまうケースです。下の図5をご覧下さい。

図5 肘が動いてしまい、胸郭が持ち上ってしまう

 無理な力で胸郭を伸ばそうとすると、胸郭を押さえていた肘も一緒に動いてしまいます。 運動を初めてすぐは、まだ胸郭も硬いですから、無理に動こうとせず、 肘の動かない程度の力でとどめるようにして下さい。

 以上、よくある間違いを二つ紹介しました。このような間違いをしないよう注意しながら、動作を繰り返し練習して下さい。うまく出来るようになったら、レベル2に進みます。

ステッブ2・レベル 2
 レベル1が慣れたら、今度はレベル2です。

1.まず、レベル1と同様に、肋骨と背骨を伸ばす動作を行います。

2.その状態のまま、ここからステップ1で覚えた動作(後頭部の引き上げ・アゴの押し込み)を加えます。つまり、胸郭の動きにステップ1で覚えた首・頭の動きを加えるのです。下の図6を参考にして下さい。

図6 (左)ステップ2レベル1の動きから(右)ステップ1レヘル3で行った頭の動きを加える。

 うまく動作できれば、胸と背中に加えて後頭部にも伸びている感覚を感じるはずです。このままの姿勢を15秒保持してください。同様の動作を6回繰返します。以上がレベル2の動作です。

 このレベル2が上手に出来ると、上半身は正しい姿勢の形になります。つまり、レベル2の動作は、姿勢を正す動作練習の最初のステップでもあります。完璧に出来るようになるまで繰り返し練習しましょう。

ステッブ2・レベル 3
 最後はレベル3です。このレベル3が今後日々行っていくエクササイズとなります。

1.これまでと同様、座って肘を組み最初の姿勢をとります。

2.ここまでは肋骨と背骨を伸ばす動作と首・頭の動作を分けて行いましたが、レベル3ではこれらの動作を全て一度に行います。下の図7を参考にして、胸郭の動きと首・頭の動きがうまく連動するよう動作して下さい。 うまく出来れば、動作中はつねに目線は正面を向いているはずです。

図7(左)座り姿勢から(右)同時に3つの動きを加える。

 

 動き終わったら、そのまま15秒維持して、それを最初から6回繰返します。これが一日分のエクササイズです。

 このレベル3が、今後継続的に行うエクササイズです。まずはこれを3月程度続けてみましょう。 毎日3分程度ですから、習慣になれば、さほどきつくはないはずです。是非、頑張って見て下さい。


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