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ゆがみと姿勢の関係

からだのゆがみについて

 悪い姿勢は健康と深く関係しています。ですから、姿勢の悪い程度に比例して様々な症状がからだに現れます。 しかし、その症状の強さには個人差があり、中にはあまり症状を感じないという人もいらっしゃいます。何故このような個人差があるのでしょうか。

 理由は大きく二つ考えられます。一つは体質です。普通の方なら問題になるストレスでも、体質の強い方にはそうでもない事もあるでしょう。とは言っても、悪い姿勢によるストレスは年月とともに積み重なりますので、時期が来れば発症する場合も多いですから、これは時間差だけの問題かもれしません。

 もう一つは、悪い姿勢以外の問題の有無です。症状の原因は1つだけでなく大抵複数あるものです。悪い姿勢以外にもからだに問題を抱えていれば、当然症状は出やすくなります。では、悪い姿勢に付属しておこりやすい体の問題には何があるでしょうか。広く考えれば、心理的な問題や生活習慣、又は食生活等いろいろ考えられます。しかし多くの人に見られるのは「からだのゆがみ」だと私は考えています。

 「からだのゆがみ」という言葉は、誰でも一度は聞いた事があるかもしれません。しかし、それが具体的にどういったもので、どのように問題なのかはあまり知られていません。という訳で、ここではからだのゆがみについて解説していきましょう。

からだのゆがみには二週類ある

 「からだのゆがみ」という言葉は広く知られてはいますが、よく考えれてみればかなりあいまいな言葉です。「ゆがみ」は広い意味のある言葉なので、時にホルモンバランスなどのからだの内側の問題まで意味している場合もあります。なんでもゆがみと言えばいいので便利な言葉ではあるのですが、ここでは話しを明確にする為に、「ゆがみ」の意味を「からだのバランスの崩れた状態」に限定して、さらに「左右のゆがみ」と「前後のゆがみ」の2つに分けて考えていきます。
左右のゆがみと前後のゆがみ

 "左右"と"前後"とは、からだを見る方向を示しています。つまり、からだを前から見たバランスと、横から見たバランスという意味です。このように分けて考えると、立体的なものを平面的に考えられるようになります。又、これらは性質にも違いのある為、分けて考えた方が何かと良いのです。

左右のゆがみはストレスをかたよらせる

左右のからだのゆがみ

 最初は正面から見たゆがみ、「左右のゆがみ」から見ていきましょう。ゆがみのある時の典型的なサインには以下のようなものがあります。

  • 肩の高さが左右違う。
  • 座る時に足を組まないと安定しない。
  • 靴の擦れかたが左右違う。

 上記の例は、多くの方から聞かれますので、これを読んでいるみなさんにも覚えがあるかもしれません。上記に該当しなくても、鏡で自分を正面から見て、明らかに左右に違いのある場合は、ゆがみのある可能性は高いと考えていいでしょう。

 通常、左右のゆがみは見た目の問題として注目されますが、本当の問題は別にあります。それは「からだにかかるストレスをかたよらせる」という問題です。それの何が問題なのか、以下のようなモデルで考えてみます。

  • からだにかかるストレスを数値に置き換えて考える。
  • からだ全体に10のストレスがかかるとする。
  • 片方にかかるストレスが5を超えると発症する。

 まずは、ゆがみのないケースで考えてみます。からだにゆがみはなく正常であった場合、からだにかかるストレスは左右均一に分散されるはずです。
正常なからだにストレスがかかる

 上図のように、片側にかかるストレスは10の半分の5づつとなります。症状は5を超えると出るわけですから、正常なからだの場合、ギリギリ症状は出ない、という結果になります。

 次に、ゆがみのあるケースを考えてみましょう。ゆがみはストレスを左右どちらか一方にかたよらせます。仮に、右に1割だけかたよっているとしましょう。計算すると右6・左4となります(下図参照)。左は問題ありませんが、右は5を超えてしまっていますので、ゆがみのあるケースでは、痛みの出る結果になります。
左右のゆがみのあるからだにストレスがかかる。
  このように、からだにかかるストレスは同じでも、左右のゆがみがあると症状が出てしまう場合があります。「右ばかり腰痛になる」や「肩こりはいつも左のみ」などのよくある症状は、この左右のゆがみが原因になっていると考えられるのです。

左右のゆがみの発生する原因は?

 では、何が原因となって左右のゆがみは発生するのでしょうか。わかりやすい原因では以下のようなものがあります。

  • 座る時にいつも足を組む
  • 片足重心で立っている事が多い
  • 長時間座っていると、だらしない座り方をしてしまう

 これらに共通しているのは、長時間からだの一部をねじった状態にしていたという点です。そうしていた事で左右の筋力バランスが崩れ、ねじれた状態をからだに固定させてしまい、ゆがみを生じてしまうのです。

 例に挙げたような事例は、ほとんどの方に覚えがあるはずです。実際、 多かれ少なかれ「左右のゆがみ」は誰にでもあります。 しかし、それを過剰に心配する必要はありません。そもそもからだは左右対称ではないからです。例えば、きき手側の腕力はそうでない側に比べて強くなる為、それにひっぱられるようにからだは少しきき手側にねじれます。又、心臓が左側にあるので、背骨はそれを避けるように右側に少し曲がっています。そして、このような自然にあるゆがみ程度でしたら、からだは問題なく耐える事ができるのです。

 左右のゆがみが問題になるのは、ゆがみの強度が強い場合です。そして、そうなる原因は、悪い姿勢にある事が多いのです。まずは下図を見てください。
正しい姿勢と悪い姿勢の体軸
 図は正しい姿勢と悪い姿勢を並べた図です。図中の線は、からだの動きの中心軸を表しています。左の正しい姿勢では、軸は直線状ですが、右の悪い姿勢はジグザク状の線になっています。仮にこの軸線上に「ねじる動き」をしたと考えてみましょう。正しい姿勢は直線状の軸ですから、まんべんなく全体にねじれるでしょう。しかし、悪い姿勢はジグザク状の軸線です。ねじれの力はジクザグの頂点部分に集中してしまうでしょう。

 この事が、姿勢の悪い人に左右のゆがみがおきやすい理由です。つまり悪い姿勢だと、左右のねじれる力が姿勢の悪い部分に集中してしまう為、それが体に残ってしまいやすいのです。ですから、姿勢の変形が強い部位ほど、左右のゆがみが生じやすい事にもなります。

もう一つのからだのゆがみ、前後のゆがみ

 次は、もう一つのゆがみである「前後のゆがみ」を見ていきましょう。前後のゆがみは、からだを横から見たバランスの崩れです。実は、悪い姿勢もからだを横から見たバランスの問題である為、前後のゆがみの一つと言えなくもないのですが、両者は同じものではありません。その違いを含めて、前後のゆがみを解説していきましょう。

 まずは、具体的に前後のゆがみとはどのような状態なのか、悪い姿勢と比較しながら実例で見てみましょう。下の写真をご覧下さい。

前後のゆがみと悪い姿勢比較

 上は、左右ともに首猫背姿勢の方の写真です。同じ悪い姿勢なのですが、右の方はそれに加えて「前後のゆがみ」もあります。とは言っても、写真からはほとんど同じように見えますね。 そこで、わかりやすくする為に背中に線を引いてみます。

前後のゆがみと悪い姿勢比較(補助線有り)

 上は、さきほどの写真に背中の曲がり方を示す赤線を付け加えたものです。首から肩にかけては、変形の度合いも含め両者にほとんど違いはありません。しかし、腰からお尻にかけてを注目して見て下さい。 右のゆがみのある方は、腰の跳ね上がりの程度が大きい事がわかりますか? さらにわかりやすくする為に、写真から線だけ取り出してみましょう。

前後のゆがみと悪い姿勢の体軸比較

 上図は、線のみ取り出して、背中の丸まり具合(図中A)と腰の反り具合(図中B)を角度として表したものです。ゆがみのない左の方は、背中の丸まり具合(A)と腰の反り具合(B)の向かい合う角度がほとんど同じです。このように同じ角度で向き合って曲がっていれば、上からの荷重は無理なく足下に抜けていきます。つまり、正しい姿勢と比べればもちろん不安定ではあるのですが、悪い姿勢"なり"に安定した状態になっているのです。

 一方、ゆがみのある右の方は、腰の反り具合(B)の角度が浅く、向かい合うAの角度と異なっています。 こうなると、上からの荷重はからだの一部(この場合、腰のつけね)に滞る事になってしまいます。つまり、ただ姿勢の悪い場合と比べて、かなり不安定な状態になっているのです。このような、悪い姿勢よりさらに不安定になった状態が、前後にゆがんでいる状態です。

 通常、ただ悪い姿勢になっただけでは、このようなゆがんだ状態にはなりません。何故なら、からだには強力な安定機能が備わっていますから、一定の安定を保って姿勢は崩れるからです。 しかし、なんらかの理由で安定機能がうまく働かず、前後のゆがみが出来てしまう場合があります。

前後のゆがみが生まれる理由

  前後のゆがみが出来てしまう原因は、からだに備わる安定機能がうまく働かない事にあります。では何故、そのような事がおこるのでしょうか。

 原因はいくつか考えられます。直接的な原因では、大きなケガをした事による後遺症、慢性的な強い痛みによる逃避姿勢が固定してしまった※1、などがあります。しかしこれらは特殊なケースであり、多くの場合は明確な原因は不明です。

 しかし、前後のゆがみのある方には、ある共通点が多く見られます。それは、自分の姿勢を強く意識しているという点です。そしてこの事が、前後のゆがみのできる主要な原因になっているのではないか、と私自身は考えています。

  わかりやすくスポーツに例えてみましょう。スポーツを行なう時に「うまくやろう」と意識しすぎると、からだのコントロールがうまくいかなくなる事は多くの方が経験的に知っていると思います。この例は、からだのコントールに対する意識の影響のわかりやすい一例です。通常からだの動作は、意識とは関係ない脳の一部がコントロールしていています。それなのに「うまくやろう」と動作を強く意識してしまうと、からだのコントロールに意識が干渉してしまい、動作そのものが狂ってしまうのです。

 そして、姿勢を正そうとする意識も、これと同様の結果をもたらします。つまり、からだの安定機能に「姿勢を正そう」という意識が干渉して、逆に姿勢が不安定になってしまうのです※2

前後のゆがみはストレスを増強させる。

 この前後のゆがみは、からだにも強い影響を及ぼします。先に説明した左右のゆがみはストレスそのものを増加させるわけではなく、ストレスをかたよらせるだけでした。 しかし前後のゆがみは、ストレスそのものを増加させてしまう為、左右のゆがみと比べ強い症状をからだに引き起こしてしまいます。 その中でも代表は腰痛です。下のグラフは前後のゆがみと腰痛との関係を示したものです(私の治療室の統計データによる)。
前後のゆがみと腰痛の比較
 グラフの横軸は前後のゆがみの程度、縦軸は腰痛を訴える人の比率を示しています。ゆがみの程度に比例して腰痛の比率も高くなるのがグラフからはっきりわかります。他にも肩こり・頭痛や生理痛、果ては消化器系の問題に至る多様な症状が、この前後のゆがみと関係のある事が私の治療室データからわかっています。

ゆがみの改善と姿勢矯正のどちらが大事?
悪い姿勢とからだのゆがみの改善の優先度

 以上ように、からだのゆがみは、ストレスを片寄せたり増大させたりして、からだに悪影響を及ぼします。その為、悪い姿勢とからだのゆがみが併発すると、より症状を発症しやすくなるのです。ですから、健康を取り戻すには、こらら2つの問題を改善しないといけないわけですが、ではどちらを優先して改善すればよいのでしょうか。

 結論としては、まずは姿勢矯正を優先するのが合理的です。何故なら、ここまで解説したように、ゆがむ原因には根本で悪い姿勢が関わっているからです。仮にゆがみだけ改善しても、悪い姿勢のままなら時間とともに元のゆがんだ状態に戻ってしまうでしょう。

 又、姿勢矯正を優先する別のメリットもあります。姿勢を矯正する程度に比例して、ゆがみも自然に改善してしまう事が多いからです。実際、私の治療室では、悪い姿勢であるならば例えからだのゆがみがあっても、まずは優先的に姿勢矯正を行ないます。そうして矯正が半分程度進めば、元々あったゆがみの6〜7割程度は自然に改善されているケースがほとんどなのです。このような事からゆがみの気になる方は、まずは姿勢矯正をされる事をオススメしています。※3

まとめ

 ここまでのまとめです。

  • 悪い姿勢にからだのゆがみが加わると多用な症状が出る
    悪い姿勢にからだのゆがみが加わると、からだに様々な症状が出やすくなります。
  • ゆがみには二種類ある
     からだのゆがみには左右のゆがみと前後のゆがみがあり、それぞれ性質が異なります。
  • 左右のゆがみはストレスを偏らせる。
     左右のゆがみはストレスを一方に偏らせる事でからだに症状を引き起こします。
  • 軽度の左右のゆがみは正常。
     そもそも人間は左右均一ではないので、軽度の左右のゆがみは気にする必要はありません。
  • 前後のゆがみはストレスを増大させる。
     前後のゆがみはストレスそのものを増大させます。その結果、多用で強い症状を引き起こします。
  • からだのゆがみを根本改善するには姿勢矯正が必要
     からだのゆがむ根元の原因は多くの場合悪い姿勢にあります。ですから姿勢矯正をすれば、からだのゆがみも自然に改善される事が多いのです。


補足メモ

  • ※1 からだに強い痛みがあると、少しでも痛みを和らげようと姿勢は自然に変化します。 例えばぎっくり腰になると無意識に中腰になってしまう事がよくあります。こういった姿勢を逃避(とうひ)姿勢といいます。 痛みがなくなれば元の姿勢に戻るのですが、痛みが慢性化してしまうと、その逃避姿勢がからだに固定してしまう場合があるのです。
  • ※2 仮にその「その姿勢を正そう」という意識が正確なものなら、ゆがむ事はないかもしれません。しかし多くの場合、その姿勢を正す意識そのものが不正確なのです。ですから、よけいにバランスを崩し、その結果、ゆがんでしまうのではないか、と私自身は考えています。
  • ※3補足になりますが、仮に姿勢には問題はなく、ゆがみだけからだにある場合、左右のゆがみと前後のゆがみ、どちらを優先して改善したらよいのでしょうか。2つのゆがみは単独で生じる場合もありますが、大抵はお互い関連しあって併存しています。前後にゆがめば左右のゆがみも強くなり、又は逆に左右がゆがめば前後もゆがみも強まるのです。しかし、優先順位をつけるなら前後のゆがみを先に改善すべきたと言えます。そう言える理由は、前後のゆがみによる症状はより強からというのが一つ。もう一つは、2つのゆがみの性質の差にあります。左右のゆがみは、バイオリズムのようにゆがみの程度が日々変化しています。ですから一時的に悪くなっても、ほっておいたら自然に良くなってしまう事も少なくありません。しかし、前後のゆがみにはそのような事はなく、何らかの治療をしないと改善しません。又、前後のゆがみを改善すると、左右のゆがみも自然に改善してしまう事はありますが、その逆はまずありません。このような性質の違いから、先に前後のゆがみを改善した方が、なにかと合理的なのです。
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